激ダサDANCEで凍らせて

ハロプロとテニミュとその他雑記。

半券と共に2020年を振り返る

私は子供の頃から美術館、博物館、水族館、動物園、映画館、寺社仏閣や観光施設などの入場券、ライブや舞台の公演チケットなどの半券をほとんど捨てずに取ってあります。

過去の現場やお出かけ先に関してswarm(行った場所を記録できるSNSみたいなやつ)やスマホのスケジュール帳を見返すのも楽しいですが、大きさやデザインも様々な半券のコレクションを見返すと思い出がより鮮やかによみがえってきて、手に取って触れる紙の良さを感じます。

私はミュージアムショップの絵葉書やアイドルのライブの日替わり写真の類を一切買わないので(グッズを買うお金があるなら現場数を増やしたいタイプのおたく)、半券が記念品の代わりなのかもしれません。

 

2020年に集めた半券はこんな感じ。

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美術館関係の半券は基本的に全部保管してあるはずなのですが、今年は日時指定入館システムの為にデジタルチケットしか発行されない館が増え、また、招待葉書などで入館させていただいた機会も何度かあったので、思ったより半券が少なかったです。

今年は国内の展覧会に55回行ったのですがそのうち14館は半券が見当たりませんでした。海外のは仕分けが面倒なので数えてません。

(美術館、博物館に行った回数をカウントすると2020年は国外含め65館、2019年は国外含め86館でした。自粛期間があったわりに現場数はそこまで減っていません)

 

写真一番左上に写っている岸田劉生展が今年初めて行った美術展覧会でした。岸田劉生と言えば麗子のイメージだけが強かったのですが意外と静物画もたくさん描いていて、この展覧会がきっかけで彼の仄暗くも強烈な色彩が好きになりました。

他に記憶に強く残っているのは、2月に行ったウィーン美術史美術館やベルヴェデーレ宮殿でしょうか。ヨーロッパの美術館は作品だけでなくて内装そのものが綺麗なので空間ごと記憶に焼き付いています。

 

2020年のベスト展覧会を決めるのは難しいので印象深いものを適当にメモしておきます。

観ていて楽しい展覧会って、海外の美術館から有名作をどかんと持ってきて大都市を巡回させる「金になる激混み展覧会」と、作品を展覧会独自のテーマに合わせて配置することで従来あまり注目されてこなかった作品にも美術史上の意味を与えていく「学芸員が物語をつくる展覧会」の二種類があるように思います。

今年で言えば前者はゴッホ展やロンドンナショナルギャラリー展、後者は大阪市立美術館の「天平礼讃」や三菱一号館美術館の「1894 Visions ルドン、ロートレック展」が良かったです。

 

金になる展覧会をdisったような書き方をしてしまいましたが、やっぱり海外からゴッホの絵を借りてきて日本で見せてくれるってすごいんですよ。ゴッホの絵はそこにあるだけですごいので。

 

そういう派手な展覧会に対して、大阪市美の「天平礼賛」などは展覧会を構成する細々とした作品から大きな歴史が浮かび上がってくるという楽しさが大きかったです。メインビジュアルに据えられた藤島武二の《天平の面影》が日本史の教科書に載っているレベルの有名作なので、そういった作品自体の知名度やパワーももちろんあったのですが。

展覧会のサブタイトルに「高遠なる理想の美」という岡倉天心の言葉が採用されているのもかっこよかったし、ただ有名作をボン!と展示しておくだけではなくて天心という近代人が見た天平美術の魅力がじわじわ伝わってくるような展覧会だと思いました。

 

2020年もなんだかんだ好きな絵を観れて旅行にも行けて楽しかったです。

他のジャンルの半券についても1年を振り返っての感想を書きたいんですけど、少なすぎてベスト〇〇を選出することすらできませんでした。

ハロプロ現場は配信、デジチケが多かったので紙で残っているのはアラビヨ1枚のみ。映画館の半券は3枚しか残っていなかったのですが、もう少し行けば良かったな。

2021年はもっとおたくしたいです。

 

ちなみに大学4年間で集めた半券を並べるとこれくらいになりました。今年の3月に大学を卒業して今は大学院の1年生なので、2020年1月から3月のものはさっきの画像と重複しています。
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半券は近所の映画館の場所やハロプロFCチケットの名義など個人情報のかたまりなのでうっすらモザイクをかけていますが、ぼやっとした写真でも京博の国宝展は主張が激しいです。展示替えのたびに行ってたな、懐かしい。

大体は展覧会の半券で、画像下部のパステルカラーのゾーンは全部ハロプロ関係。

 

こうして並べるとチケットにも個性があって面白いなと思うのですが、コンビニ発券のチケットだけはどうしても無機質で可愛くないですね。

可愛いと思ったのはこの辺。

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°C-uteメンバーが印刷された℃ONCERTOのチケ、細見美術館の「世界を変える美しい本」展、ウィーン美術史美術館入場券、プラハ旧市庁舎入場券、色合いがレトロなヒグチユウコ展、形が個性的な伊丹市美の並河靖之展と根津美術館のチケット。

 

これだけ大量の半券があると展示内容やセトリなど全然記憶にないものとかもあります。

半券を眺めていても楽しかったな〜というぼんやりした感情しか思い出せないのはもったいない気がするし、Twitterに感想を書いてたのかもしれないけど見返すには不便だし、と思ったのがこのブログを始めたきっかけの一つでした。

 

「観ること」は私にとって趣味を越えてほとんど生きる意味に等しいので、半券を見返しているとめちゃくちゃ「生」を感じます。

デジチケに駆逐されつつある紙チケットですが、利便性とエコロジーを追求する風潮にめげずにいつまでも生き残ってほしいと思います。