激ダサDANCEで凍らせて

ハロプロとテニミュとその他雑記。

テニミュお披露目会っていいな

 テニミュ4thシーズンのお披露目会、TSC先行もテニモ先行も昼夜共に落選してしまい沈んでいましたがやっと後日配信で見れました。

 

私は人の話をおとなしく聞くことがあまりにもできないので基本的にトークイベント系の現場は行かないのですが、それでも遠征してまでお披露目会に行こうとしていたのは、中河内さんが南次郎役として出演することが決まっていたからです。

中河内さん演じる仁王雅治は私が1年2ヶ月前にはじめてテニミュに出会ってからの最推しであり*1今もそれは変わりません。

中河内さんの仁王を推すあまり、1stの円盤を買い集めたり、中河内仁王の幻影を追い求めて中河内さんが出演するグランドミュージカルを観に行って当然まったく仁王じゃないけど兄貴肌の中河内さんもかっこいいな……と思ったりもしました*2

 

そういうわけでラケットを振る中河内さんを生で見ることは私の悲願だったのですが、実はテニミュ4thシーズンで中河内さんが南次郎役として出演することが発表された時は100%ポジティブとは言い切れない感情で混乱していました。

私は越前南次郎というキャラクターがテニスの王子様の世界の中で唯一苦手だったからです。

明確に嫌いと言える理由があるわけではないのですが、全国優勝を目指してひたむきに勝利を追い求める人間しか存在していないテニミュの舞台上にふざけたセクハラおじさんが存在しているという異質さが苦手だったんだと思います*3

中河内さんがテニミュの舞台に戻ってきてくれるのがとても嬉しい反面、強くてプライドが高くて掴みどころのない仁王のイメージが南次郎の俗っぽさに上書きされてしまうことが怖くもありました。

 

楽しみ半分怖さ半分で見始めたお披露目会の配信動画でしたが、結論から言うと中河内南次郎のことをちゃんとかっこいいと思えました。

せっかく中河内さんがテニミュに戻ってきてくれるなら初対面の女の胸部を鷲掴みにする男としてじゃなくてイケメン高校生として戻ってきてほしいと思っていたのですが、飄々としていながらも眼光が鋭い中河内さんの仁王と南次郎がダブって見えて、中河内さんが南次郎役でよかったと感じました。あと袴姿が似合っていてかっこよかった。

南次郎に対するモヤモヤがスッと無くなったのは、先日配信で観た許斐先生のひとりおてふぇす2018の影響も大きかったと思います。あれがなければ今も南次郎を受け入れられていなかったかもしれません。

おてふぇすを観て、許斐先生とVRのキャラクター達、声優さんやミュキャスさんの掛け合い、ファンの歓声からキャラクター、作者、演者、ファンの間を巡る巨大ラブのダイナミズムを感じて、このキャラクター苦手だなとか、このキャストさんちょっと解釈違い…みたいな負の感情がだいぶ消えました。宗教?

具体例を挙げると、金ちゃんと許斐先生が「先生!ワイ、コシマエともういっぺん戦いたい!」「いいよ、必ずね」って会話してるのを聞いて、創造主である許斐先生はご自身の被造物に無限の愛を注いでいるんだなぁ、その周りの演者やファンも先生の愛を間接的に浴びているよ……と思いました。やっぱり宗教?

 

テニプリのすごいところは、非実在キャラクターの背後にいる実在の作者、演者、ファンの思いを包含してテニプリの世界観が成立しているところです。

テニプリ関連楽曲の視点は驚くほど多様であり、

・キャラクターが漫画の登場人物であることを自覚しながら読者に愛を伝える曲(悲しいね…キミが近すぎて)

・ミュキャスが稽古と本番を通じ、短い間だけキャラクターを演じられることを自覚しながら卒業していく曲(THANK YOU & GOOD-BYE)

漫画原作者が読者へ感謝を伝える曲(テニプリを支えてくれてありがとう)

など通常のメディアミックス作品ではあり得ない視点の楽曲が存在しています。まず漫画家がソロライブしてるのがびっくりですが。

テニプリにおいてキャラクターの背後に存在する実在の「思い」は秘匿されるべきものではなく、むしろキャラクターの実在性を強化するものとして公にされ*4、更に2次元、2.5次元、3次元それぞれの間の壁についてもタブー視することなく「あるもの」として、時には悲しく時にはコミカルに受け入れられています。

長い歴史を持ち多彩なメディアミックスを展開するテニプリ作品では通常のメディア作品よりもずっと演者とキャラクターの関係性が密であり、演者は黒子としてではなくキャラクターと一心同体かつ対等な存在として表舞台に立っているのです*5

越前南次郎というキャラクターが好きか嫌いかと言われるとまあ微妙なのですが、越前南次郎と並走してきたこれまでの声優さん、ミュキャスさん、そしてそれを引き継ぐ中河内さんの思いを包含した存在が越前南次郎だと思うと越前南次郎っていいなという気持ちになりました。

 

本題のテニミュ4thシーズンお披露目会、中河内南次郎はちょびっとしか登場していないのでほとんど中学生達の感想になるのですが、色々羅列したいと思います。

ボケ力が高くて楽しい子達が多くみんな一人一人印象が強かったのですが、特に気になったのは伊武と手塚です。

土屋さんの伊武くんは先代の健人さんのちょっと神経質で髪のお手入れに時間かけてそうな伊武くんとは違って、ふてこくて気まぐれな感じ。

トークを聞いていると、オーディションではキャラクターの種を持った子を選ぶってこういうことなのかと納得できるくらいダウナーさを感じられて、でも嫌な暗さがないところがギリギリスポーツ漫画らしくもあって、本公演のお芝居がすごく楽しみになりました。

 

手塚は、というか山田さんはすごく不思議な人なんだなと思いました。オーディション合格を聞いた時の「ゲゲゲ」のポーズ絶対テニモンの間で流行ってほしい。

テニミュって手塚や真田のようなどう考えても歌ったり踊ったりしなさそうな厳格なキャラクターをミュージカルで表現しないといけないのでそこにどうしても面白さが生まれてしまうんですけど*6、私はその違和感を愛おしく思うし手塚役はちょっと浮世離れした人が似合うと思っています。

山田さんは新テニミュからの続投なのですが、日替わりシーンで好きな食べ物を聞かれた際に手塚の好物である「うな茶」と答えなければいけないところを、山田さん自身の好物である「いちご」と答えてしまったことがあったそうです*7

役者として良いか悪いかで言ったら「いちご」はちょっとまずい返答だったのですが、この公演の手塚が天衣無縫に目覚める時の手塚だったこともあって、厳格な手塚のキャラクターから山田さんの天然さが覗いているような面白さがありすごく好きなエピソードです。

天衣無縫でいちごが好きでゲゲゲな山田国光しかまだ知らないので、成長した山田国光が今後どのように青学を背負っていくのか、跡部戦でどういう試合を見せてくれるのか気になります。気が早い話ですが3rdの青学世代交代のタイミングは絶妙だったと思うので*84thも関氷まで11代目を続投させてほしいです。

 

お披露目会の最後には青学と不動峰で2曲披露してくれました。

個人的に最初の曲がすごく好きです。4thシーズンから主要スタッフが総入れ替えになるのがかなり不安で、3rdまでを生で観ていないからこそ円盤で憧れていた曲や演出を観てみたい思いがあったのですが、新鮮さと見たことある感のバランスが絶妙で良かったです*9

今年春の生執事でYuさんの曲のキャッチーさに聞き惚れていたのですが、このテニミュ新曲もとにかくキャッチーで、本公演で他の曲を聴けるのがすごく楽しみになりました。

振り付けはフォーメーションが斬新で、12人の青学メンバーを3人ずつ割ってダンスを構成したり3人ずつ舞台を斜めに横切りながら動くのは今までありそうでなかったので楽しかったです。

センターのリョーマの両サイドは今まで手塚と不二が鉄板で、この曲の終盤も定番の布陣なのですが、序盤ではリョーマの両サイドに桃城と海堂が立つ布陣で「立ちはだかる先輩」と歌う箇所があったり、新鮮で良いなと思いました。

私が人生で初めてテニミュを観た時に一番かっこいいと思ったのが、3rd全立後編の《最終決戦》でラケットを振りながら青学と立海の選手が交互に一人づつ舞台前方に飛び出してくるシーンでした。今振り返ると跡部のソロでもリョーマと幸村の試合のラストでもなくそこが一番!?と思うのですが当時のツイートを見返すとそこみたいです。

今回の新曲でも似た振り付けが出てくるので当時の感動を思い出しました。テニミュを何も知らない人間がテニスの試合をミュージカルにするってどういうこと?と思ってテニミュを見た時に、ラケットを振りながらキャラクター達が飛び出してくる振り付けは一番自然に感じると言うか、素直にかっこいいと感じるんだと思います。

 

この一曲だけでテニミュ初見時の思い出とか、ついにテニミュを生で観れるというワクワク感とか、いろんな感情が湧いてきました。

中河内さんが南次郎演じるのが不安だったのも、制作スタッフが入れ替わって過去曲やってくれないかもしれない不安も、その不安、消えるよ!になりました。

今月末のテニミュ大阪公演楽しみだな〜!!!

*1:私のテニミュ初見は3rd全立の配信だったが、テニミュにハマったらまずテニモンの友達にたこ焼きライス動画を見せられるのが自然な流れだ。(違法転載動画を見てはいけない)。

*2:去年11月の「ビリー・エリオット」と今年4月の「アリージャンス」

*3:オサムもふざけたギャンブルおじさんという点では異質な存在と言えるものの、全国決勝の重要なシーンに絡む南次郎と四天宝寺のガヤガヤに紛れ込むオサムでは立ち位置が全く違うのでそこまで苦手意識はない

*4:今回の配信でおてふぇすLIVE映像終了後に許斐先生も「VRだけのライブではなく、生身の人間がVRのキャラクターと会話することで偶然性が生まれ、キャラクターにリアリティが生まれる」という旨を話していた

*5:ミュキャスがキャラクターの格好の写真を個人のSNSにアップしてはいけないのは、キャラクターの私物化を避けるためであって、このこともキャラクターと演者の対等な関係を示している

*6:ドリライ2018で横アリの満員の観客を前に真顔で時候の挨拶をはじめる手塚国光が永遠に好き。

*7:私はその回を観ていないので他の方のレポで知った。私が見た日替わりの手塚はダチョウ倶楽部のジャンプ芸にワンテンポ遅れ、真顔で「遅れてしまい申し訳ありませんでした」と謝罪していた。永遠に好き。

*8:テニミュの代表作とも言える関氷公演は言わずもがな、青学内の衝突と絆に焦点を当て、なおかつ青学に黒星が付かない比嘉公演も卒業公演に相応しかった

*9:そうは言ってもドリライとかサービスナンバーでは過去曲披露してほしいです。お願いします。